
モデルベース開発・システムモデリング
モデルベース開発(Model Based Development: MBD)とは、製品設計プロセスの初期段階で3Dモデル(CADやFEM等)を作成する前に、機能ベースで製品全体を表現し、シミュレーションや最適化を行うことにより製品の性能を評価する手法です。 モデル化にはブロックダイアグラム手法を使うことが一般的で、製品の個々の構成要素を集中定数系としてモデル化し、それらの関係をダイアグラムを用て記述します。このことから、この手法は1Dシミュレーションと呼ばれることもあります。
モデルベース開発の適用で得られる効果
- 設計の初期段階でシステムの性能や問題を把握することが可能(設計プロセスでの手戻りの削減が可能)
- 画期的な設計案の創出が可能 複合領域システム挙動を容易に表現することが可能
- システム設計案の迅速なテストや性能改良のためのパラメトリックスタディ/最適化が容易
- モデルの変更や使い回しが容易
- 3Dモデル作成時の試行錯誤回数の削減が可能
- 設計期間内での人的リソースの平坦化(リリース直前のリソースの低減)をサポート
最近では、モデルベース開発の計算処理速度が着目され、デジタルツインのシミュレーションとして使われることも多くなっています。
アルテアのモデルベース開発(MBD)ツール群なら、コネクテッドシステムのさらなるスマート化を短期間で実現できます。 アルテアのソリューションでは、初期のコンセプト設計から詳細設計、さらにHIL(Hardware-in-the-Loop)試験に至るまでの開発サイクル全体を通じて、複雑な製品をシステムの複合体としてシミュレーションします。 機械的モデルと電気的モデル(0D、1D、3D)を組み合わせた複合領域のシミュレーションによって設計を詳しく検討できるほか、コードの自動生成により、次世代の組込みシステムの開発を円滑に進めることができます。
数学処理、スクリプト、データ分析
Altair® Compose®は、多種多様な数学演算を実行できるオールインワン環境です。線形代数の処理、マトリクス演算、統計処理、微分方程式の処理、信号処理、制御システム、多項式フィッティング、最適化計算などに対応しています。 この使いやすいユーザーインターフェースを備えた複数言語対応のツールは、数学演算に加えて、CAEデータや試験結果などの処理と可視化を行うことができます。 Altair Composeは、作業プロセスの自動化と数学演算の反復をキャプチャするスクリプトをサポートしています。
複合領域のシステムシミュレーション
Altair® Twin Activate™は、複合領域システムの1Dモデルをすばやく構築できるソフトウェアです。 製品全体としての性能をシミュレーションすることにより、開発の初期段階で製品の挙動を俯瞰的に把握し、コンポーネントやサブシステム間の重要な相互作用を確認できます。 Twin Activateでは、シグナルベースのブロックと物理コンポーネントのブロックを混合でき、機械、電気、熱の物理コンポーネントは定義済みのライブラリを活用して物理モデリングできます。 あらかじめ搭載されている機能だけでも十分に強力ですが、ModelicaやFMUなどのオープンな規格を通じて1Dモデルや3Dモデルと接続することもできます。
組込みシステムのためのビジュアル環境
Altair® Embed®は、モーター制御、IoTデバイス、ビジョンシステムを含む組込みシステムのモデルベースのファームウェア開発のための実績あるツールです。 Altair Embedでは、ブロック図やステートチャートを使って組込みシステムの設計、解析、シミュレーションを行い、Texas Instruments™、STMicroelectronics®、Arduino®、Raspberry Pi™などの豊富なマイクロコントローラー上で動作するようにコンパクトで最適化されたコードを自動的に生成できます。 ハードウェアインザループ試験は、高速双方向通信リンクによるデータ収集とリアルタイムチューニングによって完全にサポートされています。

アルテア パートナーアライアンス(APA)モデルベース開発ソリューション
APAが、複雑なシステムモデリングの課題の解決をサポートします。 Altair Unitsライセンスを通じて利用可能なこれらのサードパーティ製ソリューションの多くは、アルテアのシステムモデリングシミュレーションと連携でき、複合領域のシミュレーションを可能にします。
- MapleSimは、システムレベルモデリングのための先進的なソリューションです。モデルの開発時間を大幅に短縮したり、システムの挙動を詳細に観察したりできます。
