「様々なHVACR設備でIoT接続と省電力化を実現するPACE+PACE Cloud製品群の開発における全工程でAltair Embedを使用しています。Embedのモデルベース設計機能と自動コード生成機能を随所で活用することで、開発期間と予算を守りながら、エラーのない高品質な製品を開発できました」
Tom Mills
President, PaceControls
ソリューション-開発プロセスにおけるEMBEDの活用
そこでPaceControls社は、Altair Embedによるモデルベース開発プロセスを適用することで、4年間で2世代のPACE+PACE Cloudを、重大な不具合が発生することなく開発および出荷することに成功しました。モデルベース開発とは、シミュレーションとHIL(Hardware in the Loop)試験から成る開発プロセスであり、Embedはその全工程をサポートしています。
シミュレーション工程では、設計モデルでシステム要件を表現します。設計モデルには、動的なブロックダイアグラムと状態機械モデルがあり、ここには、信号の上下限値とともに要件および許容偏差が時刻歴信号として表示されます。設計モデルは、モデルに埋め込まれたAltair Embed Hyperlinksにより要件とリンクされます。次に、HVACRシステムの動的モデル(=プラントモデル)を作成し、電力・需要最適化制御アルゴリズムの設計、解析、モデリングを行います。この“制御&プラント” 統合モデルの性能が、各設計モデルの許容範囲内に収まるまで、解析、設計修正、シミュレーションを繰り返していきます。Altair Embedのブロックダイアグラムと状態図、解析ツールボックス、フィルタリング、最適化機能は、シミュレーションステップの随所で使用されます。
HIL試験ステップでは、まず、EmbedによってコントローラーモデルのCコードを自動生成します。その後、Embedサポートライブラリを使ってコードをAndroidアプリケーションとしてコンパイルします。このアプリケーションは、クラウドに接続されたQualcomm SnapdragonマイクロコントローラーによりPACEノード上で実行されます。続いて、センサースケーリング、レイテンシー、実行順序、初期化、CPU利用率、精度が正確に計算されているかどうかを確かめるために、デスクトップ環境で製品試験を実施します。このデスクトップ環境では、プラントの代わりに、Altair Embedモデルで制御される汎用I/Oボードを使用し、センサー用の試験信号の生成とマイクロコントローラーからのアクチュエーター信号の記録を行います。デスクトップ環境での試験完了後には、PACEノードシステムを実際のHVACRシステムに接続し、設計モデルに照らして性能を再評価します。