「Altairの製品間でモデルを連結することはとても簡単です。そのように連成させると重要な情報の欠落が解消されて、それ以外の方法では実施不可能なシステムのシミュレーションが可能になります」
Remy Orban,
Mechatronic Engineer, Schneider Electric
1Dモデルと3Dモデルを組み合わせることにより、ブレーカーを完全な“システムオブシステムズ”として、現実に即したシミュレーションを実行できるようになります。Activateでは、制御系と電子装置の1Dモデルを作成できます。そして、それらの結果をFluxとMotionSolveの3Dモデルと組み合わせます。
リスクの早期発見
Altairによる技術支援とソートリーダーシップのもと、Schneider Electric社は複合領域のシミュレーションモデル一式を準備し、様々な設定を用いてシミュレーションを開始しました。その結果、この複合領域アプローチからいくつかの興味深い結果が明らかになります。シミュレーション結果と試験データの間に密接な相関性があったことは良いニュースですが、テストした3組の動作条件(異なる電圧と温度)のうち、2組しか満足のいく性能が示されない問題もありました。
シミュレーション結果から、3番目の動作条件では、想定される電圧と温度のもとで期待どおりの性能を発揮させるには、ブレーカーに新しいコイルが必要であると判明しました。こうした悪いニュースは実際には良いニュースといえます。開発プロセスの初期段階で、このような結果が得られたおかげで、予想される全ての動作条件に対し、うまく機能しない恐れのある製品を開発し続ける愚行からSchneider Electric社は救われたのです。それどころか、新たな開発方向に集中して取り組むことができ、結果として同社の製品基準や顧客満足度を高いレベルに維持することや、信頼性の高い製品を提供する会社であるという評判を守り続けることに役立ちました。
複合領域シミュレーションアプローチのメリット
Schneider Electric社は、ついに製品化までの期間が4か月という野心的目標を達成しました。今回のアプローチは、実際、彼らがこのプロジェクトをスケジュールどおりに進めることができる唯一の方法であったため、従来の方法を用いた場合と比較するのは困難です。Altairツールの使用をActivateとMotionSolveにまで拡張し、ますます複雑化するシミュレーションをFluxとともに実施できたことは、様々な形で彼らにメリットをもたらしました。1Dシミュレーション(制御系と電子装置の解析)と3Dシミュレーション(電磁界と機構の解析)を組み合わせたことで、彼らは想定される構成の全てを評価し、重大な問題を初期段階で洗い出すことができました。複合領域アプローチによって早い段階でリスク管理が可能となり、エンジニアが間違った設計方向に進んでしまうことも、適切に機能しない試作品を組み立ててしまうことも阻止できました。また、Schneider Electric社は、新しいソフトウェアツールの速やかな習得や、シミュレーションによってより良い製品をより速く開発するという目標の達成に向けて、自社のエンジニアを援助してくれたAltairのサポートグループに大変満足しています。