プラスチックボトルの構造解析ソフトウェア

プラスチックボトルの構造解析ソフトウェア Packaging CAE Manager

Packaging CAE Manager(PCM)は、CAEの操作に熟達していないパッケージの設計者向けに開発されたプラスチックボトルの構造解析ソフトウェアです。プラスチックボトルの開発で必要になる試験を、バーチャルテストとしてパソコンで解析でき、トップロード解析ツールや陽圧/負圧解析ツールが装備されています。

PCMは、パッケージ開発を行う複数のブランドホルダーからヒアリングを行い、承認されたボトル専用の解析自動化ツールです。PCMを使えば、金型を作成して実試験を行う前に、容器の性能を予測することが可能です。設計の初期段階でPCMを用いれば、手戻りを減らし、開発期間の短縮が可能です。

PCMに含まれるツール

  • トップロード/サイドロード解析自動化ツール
  • 陽圧/負圧解析自動化ツール
  • 落下解析(*DropTest内)

トップロード解析の自動化

トップロード/サイドロード解析の自動化

パッケージ開発では、必ずといっていいほど圧縮試験を行います。流通過程でパレット積みされた際に、製品と段ボールでその荷重に耐えなくてはなりません。PCMトップロード/サイドロード解析自動化ツールは、解析の専門用語を必要とせず、包装容器についての理解があれば誰でも簡単に解析できるツールです。

はじめに履歴機能つきサーフェスモデラーであるInspire Studioを使い、ボトルの3Dモデルを作ります。この起立ボトルをキャップ部分を取り除き、解析を行うソリッドモデルを作ります。

サイドロード解析では、任意形状を読み込み、ボトルへの押込みが可能です。

ミーゼス応力コンタ(左)と押込量に対する反力グラフ(右)

空ボトルのトップロード解析

図:ミーゼス応力コンタ(左)と押込量に対する反力グラフ(右)

Inspire Studioで作成したボトルモデルをPCMトップロード解析自動化ツールに読込んで設定を行います。設定は数項目あるコントロールパネルに数値を入力するだけで、慣れれば1分もかかりません。解析に必要な有限要素を自動で作成することもできます。

解析は4コア並列計算で行われるので、一般的なもので数分、細かいメッシュであったとしても十数分という短い時間で、計算から結果の表示までを行うことができます。トップロードは非線形な座屈を伴う現象なので、正確な計算のためには線形解析ではなく、非線形座屈解析に対応したツールが必要です。

内容液を考慮したボトルの非線形座屈解析

内容液を考慮したトップロード解析

図:内容液を考慮したボトルの非線形座屈解析

製品状態(内液を充填し、キャップをした状態)で、軸圧縮試験行いたい場合、PCMを使えば、希望する内容液の量を設定するだけで、内容液を考慮したトップロード解析が可能です。しかも計算時間には大きく影響しません。空ボトルの座屈モード解析とはずいぶん異なった結果が得られます。空気部分が先に圧縮され、座屈荷重も高くなります。

陽圧・負圧解析ツール

陽圧/負圧解析ツールでは、次のような解析を簡単に実行できます。解析の設定には1分もかかりません。

  1. ボトル口(くち)開放状態での静水圧解析
  2. 蓋の閉まったボトルの陽圧解析(内液なし・内液あり)
  3. 蓋の閉まったボトルの負圧解析(内液なし・内液あり)

その他、FEM(有限要素モデル)を読込むこともできます。PCMで自動的にメッシュ分割を行うだけではなく、HyperWorksで細かく肉厚分布を設定したモデルを読込んで、簡単に設定できます。

1.ボトル口開放状態での静水圧解析

内容液を充填した場合の自重変形を評価できます。

「入れ目線」高さの設定例

「入れ目線」高さの設定例

変位コンタとミーゼス応力コンタ

変位コンター(左)とミーゼス応力コンター(右)

2.陽圧解析

化学変化などにより陽圧状態になった場合のボトル変形を評価できます。炭酸飲料水ボトルの評価にもご利用いただけます。

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変位コンタ(左)、ミーゼス応力コンタ(中央)と内容積変化率(右)

3.負圧変形解析

高温充填後の容器変形を予測。ボトルの減圧変形によるラベル面を評価したり、当たり面の変化などを簡単に検証することが可能です。下のサンプル例では内容液を考慮した解析を行っています。

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ボトルの減圧変形(Evolveで解析結果をレンダリング)

ボトル落下解析の設定ツール - DropTest

ボトル落下解析の設定ツール - DropTest

誰でも簡単に、内液の入ったボトルの落下解析をセットアップできるツールDropTestは、CAEに慣れていない人でも、材料物性とメッシュモデルがあれば8分以内に設定可能です。また、PCM圧縮座屈解析自動化ツールを使えば、3D CADから簡単にメッシュを生成することができます。

包装容器解析の実績とサポート

包装容器解析の実績とサポート

Altairは、包装容器の解析において最も実績のあるCAEソフトウェアメーカーのひとつで、ユニリーバ、P&Gをはじめとする国内外のの消費財メーカ、飲料水メーカや化粧品企業で、CAEソフトウェアや3DデザインツールAltair Inspire Studioなどが幅広く利用されています。パッケージ開発における課題や解析技術の適用による課題解決について長年の経験があるため、包装容器開発に用いられる用語や環境を理解し、適確なサポートを提供します。

ボトルのバーチャルテストは無償でお試しいただけます。

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