Jaguar Land Rover社が、自動車の車両軽量化における技術革新を称える2014年度Altair Enlighten Awardを受賞
2位はBETAMAX™未処理アルミニウム接合ソリューションを実現したDow Automotive Systems社
2014年8月4日、ミシガン州トロイ – Altairは本日、高級スポーツカーメーカーのJaguar Land Rover社が2014年度のAltair Enlighten Awardを受賞したことを発表しました。受賞理由は、最新のRange Rover車における、優れた軽量構造の設計概念の開発および実用化です。この賞は、Altairが米国自動車研究センター(CAR=Center for Automotive Research)と協力して提供しており、自動車の車両軽量化における技術革新を認めるために特に設定された業界初のアワードプログラムです。
Jaguar Land Rover社は、環境保護への取り組みの一環として、車両の軽量化戦略においてCO2排出量をトータルで削減することを目指しています。ボディシステムおよびシャーシシステムの軽量化戦略と、パワートレインとそれに関連する二次的な軽量化を結び付けて考え、それと同時に製造段階では、リサイクル材料を最大限に活用しつつ、エネルギー消費量も削減しています。これにより、製品寿命解析ツールで総合的に検証した結果、車両の二酸化炭素排出量を大幅に削減することに成功しました。ボディとシャーシの軽量化では、軽量金属(主にアルミニウムとマグネシウム)およびプラスチック(複合材と熱可塑性プラスチックの両方)の使用に重点を置くとともに、従来のスポット溶接のボディ重量を40%削減しながら同等もしくはそれ以上の特性を実現することを全体目標としました。
実用化された優れた軽量構造の例では、旧モデルのボディ重量498 kg(1096 lbs)に対して、新しい軽量なRange Roverのボディ重量はわずか288 kg(658 lbs)となり、40%以上も軽量化されています。大幅な軽量化は、シャーシ(70 kg(154 lbs))とパワートレイン(130 kg(287 lbs)(モデルによって異なる))でも実現しました。
Jaguar Land Rover社は、衝突、耐久性、騒音、振動、乗り心地の特性をシミュレーションするために、新たなコンピュータ支援エンジニアリングの手法を開発しました。それと並行して、軽量な車両構造のスタンピング、鋳造、および接合の新たな製造シミュレーション手法も作成されました。これらの新しいシミュレーション手法によって、Jaguar Land Rover社は軽量な車両製品を仮想空間で開発することが可能になり、実機による開発試験の増加を最小限に抑えることができました。
AltairのGlobal Automotive Vice Presidentを務めるDavid Masonは、次のように述べています。「Jaguar Land Rover社の2014年度Altair Enlighten Awardの受賞を心よりお喜び申し上げます。車両軽量化とCO2削減をトータルで考えたことによって、アグレッシブかつ極めて優れた手法が誕生し、新しい画期的な車両構造の実現が可能になっています」。
本年度の第2位はDow Automotive Systems社が受賞しました。受賞理由は、BETAMAX
™接合ソリューションの開発と、Kenworth社およびPeterbilt社のトラックへの応用です。2液型エポキシ系構造用接着材であるBETAMATE
™は、新たな自動化されたロボット工程で未処理アルミニウムの接合を可能にするために調製された業界初の素材です。このソリューションを活用したことで、トラック運転席の9 kg(20 lbs)の軽量化とコスト削減に成功しました。
審査委員長でCARの社長兼CEO、およびCARのCoalition for Automotive Lightweighting Materials(自動車軽量化素材連合)の取締役でもあるJay Baron博士は、次のように述べています。「本年度のエントリー企業からは、現代の自動車設計における軽量化という難題に対して、幅広い革新的なソリューションが示されました。Jaguar Land Rover社とDow Automotive Systems社をはじめとする2014年度のすべてのノミネート企業が、重量、燃費、そして排ガスの削減に貢献しています。Enlighten Awardは、こうした功績にスポットライトを当てる素晴らしい方法です」
Jaguar Land Rover社とDow Automotive Systems社には、8月4日にミシガン州トラバース市で開催された2014年度CAR Management Briefing Seminar(MBS)の“Featherweight Competition: Agile, Light, and Strong(フェザー級の戦い: 俊敏、軽量、そして堅牢)”セッションで賞が授与されました。
Altair Enlighten Awardの目的は、その年の車両軽量化における最高の業績を称え、産業界、エンジニアリング、政治家、教育者、学生および社会からの関心を集め、業界での新たなアイデアをさらに競い合い、技術的な進歩を共有できるようにすることです。
Enlightenについて
www.altairenlighten.comの目的は、革新的な設計技術、材料技術および製造プロセスを通して、業界全体で製品重量最小化に役立つ情報やヒントとなるコンテンツをグローバルに提供することです。また、重量低減の課題に対する業界の最善の取り組みを後押しし、政府規制および競争力維持のために燃費目標を満たし、ますます厳しくなる車両の安全要件に対処します。
CARについて
CAR(Center for Automotive Research)は、ミシガン州アナーバー市に拠点を置く非営利団体です。同センターでは、世界の自動車業界が向かう未来にまつわる重要なテーマに関連した研究を行うとともに、自動車関連業界にとって有益、かつ業界の連携を促進するフォーラムの企画運営を手がけています。詳細は、CARのウェブサイト
www.cargroup.orgをご覧ください。CAR Management Briefing Seminarsのご登録は、
www.cargroup.org/mbsから。
Altairについて
Altairは、ビジネスパフォーマンスの改善のために、設計、プロセス、意思決定を統合かつ最適化するシミュレーション技術の開発と様々な分野への適応に注力しています。2300人を超える従業員を擁する非上場企業であるAltairは、米国ミシガン州トロイに本拠を置き、22ヵ国に40以上のオフィスを構えています。顧客は多種多様な業種にわたり、その数は5000社以上にも及んでいます。 詳細については、
www.altairjp.co.jpをご覧ください。