故障のない動作を保証するため、電子部品にはグローバルなEMC 規制への適合が求められています。適合していることを証明するには、認定機関でのEMC 測定が義務付けられていますが、これらの測定は製品設計の最終段階で行われるため、EMC 試験に不合格になると、設計のやり直しが必要です。
本稿では、設計サイクルの早い段階でEMC 試験を可能にする、測定とシミュレーションを組み合わせた近接場での放射挙動を調べる手法を解説します。この手法では、近傍界での特性評価や遠方界での予測だけでなく、例えば、自動車に搭載された電子制御ユニット(ECU)がどのように動作するかなど、電子部品が設置された環境でどのように放射されるかもシステムレベルで詳細に解析できます。