オーダーメイドのカスタムバイク – The R160
最先端のテクノロジー、複数の企業、人体測定技術および長年の経験の協業が、Robot Bike社の新型マウンテンバイクフレーム“R160”を生みだしました。R160は、Altair、HiETA Technologies社、Renishaw社というパートナー企業の協力を得て英国国内で設計され、金属積層造形(3Dプリンティング)で製造されました。
プレスリリース – 2016年5月27日
チタン製のラグ、独自の炭素繊維製コンポーネントとチューブ、二重重ね継手の接合コンセプトを取り入れたユニークな構成を開発したことで、高い自由度をもつ設計が可能になりました。パートナー企業各社の知見を結集した新型フレームは、個々人の測定データや注文仕様に基づいて一つひとつオーダーメイドが可能です。そのうえ、金型に縛られない製造プロセスを用いているため、新しいテクノロジーの登場と共にフレームを絶えず進化させていくことができます。
この新型フレームのコンセプトを考案したのは、Ben Farmer、Ed Haythornthwaite、Andy Hawkins、Ben Robarts-Arnoldの4氏によって2013年に設立されたRobot Bike社です。同社は、史上最高のマウンテンバイクフレームを作るという明確なミッションを掲げています。
パートナー企業はそれぞれのテクノロジー分野の第一人者であり、フレームの設計および製造は、航空宇宙、自動車、F1といった、要求の厳しい産業での長年の経験が生かされています。このサスペンションのデザインは、Dave Weagle氏が開発し、Robot Bike社のために改良しました。同氏には、オリジナリティあふれる、クラス最高のマウンテンバイクサスペンションの設計を手がけてきた確かな実績があります。
HiETA社は、ブリストル&バースサイエンスパークに拠点を置く、積層造形テクノロジーの開発およびプロジェクトエンジニアリングの専門家集団です。HiETA社の25人の専門エンジニアは、コンセプトデザインやプロセス開発から初期製造段階のサポートまでの製品設計/製造可能段階までの準備/プロジェクト管理サービスをカバーすることにより、顧客やユーザーにこのプロセスを提供し、革新的な製品に対するコンセプトから最終形態および商品化に至るまでの工程を加速させています。
HiETA社のCEOを務めるMike Adams氏は次のように述べています。「積層造形の大きな野心の一つは、(大量生産ならぬ)“大量オーダーメイド”です。このプロジェクトを率いるなかで、画期的な新しいフレーム設計、最先端の最適化・自動化ソフトウェアツール、製造プロセスそのものの柔軟性という、すべての要素が一つに結集する過程を目にすることができました。こうしたパートナー企業との効果的なコラボレーションにより、このテクノロジーとブリストル&バースサイエンスパークへの注目を集め、積層造形への野心が実現しつつあることをアピールすることができました」
シミュレーションスペシャリストのAltairは、マウンテンバイクの積層造形で製造された接合部品の最適化を担当しました。solidThinking Inspireにより、接合部品での材料が不要な部位を把握することにより性能を落とさずに重量と部品数を削減し、積層造形のメリットを最大限に引き出しました。こうしたエンジニアリング技術は、製品性能を最大化する目的で自動車や航空宇宙産業では一般的に用いられていますが、自転車メーカーにも同様の価値をもたらすことができます。
「非常に興味深くエキサイティングなプロジェクトに携わることができました」とAltairのブリストルオフィスでTeam Leaderを務めるPaul Kirkhamは述べています。「積層造形は設計最適化技術との相性が抜群で、理想的な重量と性能のバランスを持つコンポーネントやシステムを作り出すことができます。これによりRobot Bike社は、真に革新的かつユニークなマウンテンバイクのデザインを世に送り出せるようになりました」
Renishaw社は、寸法測定、分光測定、医療分野における世界的なリーダーであり、その専門知識を駆使して、航空宇宙から再生可能エネルギーや歯科/脳外科手術までの多岐にわたる産業や適用分野の作業効率を向上させています。また、英国唯一の金属積層造形システムのメーカーでもあります。
Renishaw社のGlobal Solutions CentresのDirectorを務めるMarc Saunders氏は、次のように話しています。「積層造形/切削加工/測定分野における当社の専門知識を活用し、初期設計コンセプトから高品質の自転車フレームを生み出すことができ、嬉しく思います。今回のプロジェクトは、当社のソリューションセンターの典型的なアプローチの例です。我々は日々、お客様と緊密に連携しながら、積層造形プロセスによってもたらされる生産面・寿命面のメリットを最大限に引き出すデザインを創り出しています」
どんなにいいフレームでも、乗り手にフィットしなければ意味がありません。現在流通している製品の欠点はそこにある、とRobot Bike社は考えています。Robot Bike社のEd Haythornthwaite氏はこう述べています。「最高のフレームを作ろうとするなら、サイズバリエーションを少なく抑えるのは合理的ではありません。買い手は、身体的な特徴も体の大きさも千差万別ですからね。Robot Bike社は、自転車界のサヴィルロウだと思ってください」
このマウンテンバイクフレームの販売価格は4,395ポンド(約60万円)前後、納期は4週間になる予定で、2016年6月から注文を受け付けます。
Robot Bike社について
Robot Bike社の創業は2013年ですが、史上最高のマウンテンバイクを作るという夢の始まりは10年以上前にまで遡ります。当時、4人の創業メンバーのうちの3人は、数えきれないほどの自転車のアイデアをスケッチすることに、大学生活の大半を費やしていました。その後、自転車、F1、航空宇宙などのさまざまな業界で経験を積み、知識を蓄えたことで、進歩したテクノロジーを使えば夢の自転車を実現できるということに気が付き、Robot Bike社の創業に至りました。同社はDave Weagle氏との緊密な協力を経て、現在、イギリスのワイバレーの中心でカスタムマウンテンバイクフレームの設計とハンドメイドを手がけています。
www.robotbike.co
Altairについて
Altairは、ビジネスパフォーマンスの改善のために、設計、プロセス、意思決定を統合かつ最適化するシミュレーション技術の開発と様々な分野への適応に注力しています。 2,600人を超える従業員を擁する非上場企業であるAltairは、米国ミシガン州トロイに本拠を置き、22ヵ国に45以上のオフィスを構えています。 顧客は多種多様な業種にわたり、その数は5000社以上にも及んでいます。 詳細については、
www.altairjp.co.jpをご覧ください。
HiETA Technologies社について
HiETA Technologies社は、ブリストル&バースサイエンスパークのテクノロジーセンターを拠点に事業を行っています。積層造形テクノロジーの開発およびプロジェクトエンジニアリングを専門とする同社は、初期段階の設計やプロセス開発から初期製造段階サポートまでをカバーする、製品設計/製造可能段階までの準備/プロジェクト管理サービスを提供することで、顧客やユーザーにこのプロセスを提供し、革新的な製品に対するコンセプトから最終形態および商品化に至るまでの工程を加速させています。同社は25人の専門エンジニアを擁する民間企業であり、Innovate UKやCentre for Defence Enterpriseのほか、F1、自動車、航空宇宙、防衛、クリーンエネルギーなどの数々の民間事業に深く携わっています。
www.hieta.biz
Renishaw社について
Renishaw社は、世界屈指のエンジニアリング・科学テクノロジー企業で、精密測定と医療が専門です。同社の製品やサービスは、ジェットエンジンや風力タービンの製造から、3Dプリンティング、歯科、脳外科手術まで、非常に多岐にわたる適用分野で活用されています。Renishaw社はグループ全体で35カ国に70以上のオフィスを構え、4,000人以上の従業員を擁しており、そのうち2,700人は英国国内の雇用です。2015年6月までの1年間の売上は4億9470万ポンド(約672億円)で、そのうち95%が輸出による売上です。同社の主な市場は、中国、米国、韓国、ドイツ、日本です。
www.renishaw.com