アルテアとミュンヘン工科大学が、数値流体力学のための量子コンピューティングにおけるブレークスルーを発見
量子コンピューティングの実装におけるいくつかの重要な課題に対する解決策を詳述
ミシガン州トロイ、2024年10月9日 - - 計算インテリジェンスの分野で世界をリードする
アルテア(Nasdaq:ALTR)と
ミュンヘン工科大学の研究者らはこのほど、数値流体力学(CFD)の
量子コンピューティング分野で大きな飛躍を遂げました。この画期的な成果は、学術誌「
Computer Physics Communications」に掲載され、格子ボルツマン法の量子コンピューター実装におけるいくつかの重要な課題を克服し、量子コンピューターおよび量子シミュレータ用の実行可能なコードであることを示しています。
「
Quantum Algorithm for the Lattice-Boltzmann Method Advection-Diffusion Equation」と題されたこの論文は、アルテアの研究助成金を受けてミュンヘン工科大学の研究者らによって発表されました。この論文は、応用量子コンピューティングの分野への重要な貢献であり、先駆的技術に対するアルテアの取り組みを明確に示すものです。論文の共著者は、アルテアのVice President of CFD SolutionsであるChristian Janssenと、アルテアの元Chief Technology OfficerであるUwe Schrammです。
アルテアのCFDソリューション部門VP、Christian Janssenは次のように述べています。
「アルテアはシミュレーション技術の限界を押し広げることに全力を注いでいます。アルテアのGPUパワーを利用したCFDツールは、効率性と精度の指標を打ち立ててきました。私たちは今、量子コンピューティングの革命的な可能性を追求し、より高度なシミュレーションに取り組むことで、製品設計とエンジニアリングの革新に新たな可能性を切り開こうとしています」
本研究では、3D CFDのための汎用的な量子CFDアルゴリズムを初めて発表しました。このアルゴリズムは、完全に非線形な3D CFDを量子の世界にもたらす可能性を秘めています。この研究成果は、量子コンピューティングが標準的なコンピューティングと比較して、モデルサイズやスケーラビリティの点で非常に大きな可能性を持つことを実証しており、次世代のCFDやシミュレーションベースの設計にとって画期的なものです。また、量子コンピューティングが単なる理論的なものではなく、現実世界の問題に取り組むための実用的なツールになることを補強するものです。量子コンピューティングの実用化を可能にすることで、CFDのような伝統的な古典物理学が支配してきた分野に新たな可能性を開くものです。
このプロジェクトの目的は、格子ボルツマン法(LBM)を用いた量子
数値流体力学(CFD)のアルゴリズムを開発することです。標準的なCFDを量子力学と互換性を持たせることで、量子コンピューティングの優れた処理能力を活用し、標準的な計算よりも指数関数的に高速かつ高精度なシミュレーションが可能になります。
量子コンピューターは、計算速度を飛躍的に向上させ、より高度なシミュレーションが実行できる可能性があるため、ヘルスケア、金融、自然科学やライフサイエンスなど、多くの産業の製品開発に大きな影響を及ぼすことが期待されています。
ミュンヘン工科大学のニコラウス・アダムス教授(空気力学・流体力学)は、「我々のチームとアルテアの研究者双方にとって重要な発見であり、量子コンピューティングの新たな次元を切り開く可能性を秘めています。私たちは、新世代の量子コンピューティングアルゴリズムの構成要素を提示しました。これにより、産業界と学術界の両方において、より実用的な量子コンピューティングアプリケーションが最前線に登場することが期待されます」と述べています。
同じ研究グループによる同様の論文で論じられているように、今日の量子コンピューティングアルゴリズムは、量子回路を設計することによりディープマシンレベルで開発されています。標準的なCFDは非一元的かつ非線形であるのに対し、量子の定式化は一元的かつ線形です。この研究では、標準的なCFDを一元的にする変換を発見し、さらに非線形側面の機械学習アプローチを開発しました。
この論文の著者には、JanssenとSchrammの他に、ミュンヘン工科大学のダヴィッド・ワウジニアク、ヨゼフ・ウィンター、シュテフェン・シュミット、トーマス・インディンガー、ニコラウス・A・アダムスが名を連ねています。すべての量子コンピューティングは、ドイツ・ミュンヘン近郊にある
ライプニッツ・スーパーコンピューティング・センターのAtos QLMシステムで行われました。
この研究は、アルテアの量子コンピューティングへの投資によってもたらされた一連の開発の中でも最新のものです。注目すべきことに、アルテアは量子誤り訂正(QEC)の課題を解決することで、量子コンピューティングをより強固で実用的なものにすることに特化した企業である
Riverlane社にも投資しています。英国のケンブリッジに本社を置くRiverlane社は2016年に設立され、量子コンピューターを支援する独自のQECスタックにより最初の誤り訂正をする量子アプリケーションを実行するのに十分な規模に達する
Deltaflowで知られています。
論文全文はこちら「
Quantum Algorithm for the Lattice-Boltzmann Method Advection-Diffusion Equation」を、アルテアのCFDソリューションの詳細については、
https://www.altairjp.co.jp/altair-cfd/ をご覧ください。
アルテアについて
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