アルテア、船体構造設計支援システム
PrimeShip-HULL 2022の強度評価ソフトウェアを開発
計算科学および人工知能(AI)分野で世界をリードするアルテアエンジニアリング株式会社は、一般財団法人日本海事協会(会長:坂下広朗、略称:NK、通称:ClassNK)とともに船体構造設計支援システムPrimeShip-HULL 2022を開発しました。
【一般財団法人日本海事協会について】
一般財団法人日本海事協会は1899年に設立された、世界の主要船級協会の1つです。同協会の主たる事業には、『船舶および海洋構造物に関する船級検査』、『船舶等に係る船級独自の研究開発、および業界要望による共同研究事業』、『船舶等に係る技術コンサルタントサービス』、『船舶関係の鑑定・証明サービス』、『品質・環境、労働安全衛生および船員教育訓練に関する認証サービス業務』などがあり、船舶とその安全管理の発展と、そこにかかわる人命の安全確保と財産の保全、海洋環境の保全をミッションとして、グローバルで諸活動を展開しています。造船所や船舶設計会社は、商船の設計、建造に際して、船級協会が制定した規則に則り審査、承認を受ける必要があります。
【PrimeShip-HULL 2022について】
2022年4月28日にリリースされたPrimeShip-HULL 2022は、日本海事協会鋼船規則C編の全面改正に対応した船体構造設計支援システムです。PrimeShip-HULL 2022を構成するソフトウェアの1つである直接計算ソフトウェアは、船体構造の要件を定めた日本海事協会鋼船規則C編に基づき、貨物倉モデルや全船モデルに対して有限要素法を用いた構造解析(FEA)による強度評価を行うソフトウェアです。
本ソフトウェアは、アルテアのシミュレーションソフトウェア(Altair HyperWorksおよびAltair OptiStruct)をプラットフォームとして採用しており、直観的なメニュー構成や動画によるヘルプなどの優れたUX(ユーザーエクスペリエンス)をベースに、荷重の自動作成機能や感度解析機能など、効率的な設計検討を可能にするさまざまな支援機能を搭載しています。NAPA Group(NAPA)の3D船舶設計システムとの連携も可能です。
従来、船種ごとに提供されていたPrimeShip-HULLシリーズにおいても、直接計算ソフトのプラットフォームとしてアルテアのシミュレーションソフトウェアが採用されてきました。これらが統合されたPrimeShip-HULL 2022では、完全に同一のインターフェイスで様々な船種のモデリングと評価が可能となり、利便性が向上します。また、本リリースにより、『大規模FEMデータでも快適に扱え、作業時間を大幅に短縮する優れたモデリング機能』『承認プロセスをスムーズにするレポート機能』『ワールドワイドでのサポート』が今後も維持されることを意味します。
日本海事協会は、より安全かつ合理的な構造設計に向け、実績寸法との高い整合性を保ちつつ、実遭遇海象を考慮した理論ベースの強度評価を反映した規則の全面改正を実施しており、2023年7月1日以降の建造契約船から適用を開始し、それに先立ち造船所、船舶設計会社ではPrimeShip-HULL 2022を使用した設計作業が開始されています。アルテアは、今後も、新たな構造規則に対応したソフトウェアの開発、造船設計プロセスの効率化、3Dモデルをコアとした船体構造設計、3Dデータ承認の実現など、日本海事協会の取り組みにオープンアーキテクチャソリューションと緊密なサポート、サービスをもって貢献してまいります。
Altairについて
Altairは、計算科学と人工知能(AI)におけるグローバルリーダーとして、シミュレーション、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、データ解析、AI分野のソフトウェアおよびクラウドソリューションを提供しています。Altairは、多種多様な業界におけるお客様が、持続可能な未来を創造しコネクティッドな世界において力を発揮するためのテクノロジーを提供します。詳細については、
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