AltairがPBS Professional 13.0の一般提供開始を発表
エクサスケール対応のアーキテクチャーを備えた新バージョンでは、百万コアに拡張可能なスケーラビリティと安定性を実現
ミシガン州トロイ、2015年6月23日 – Altairは本日、
PBS Professional® 13.0の一般提供開始を発表しました。PBS Professional 13.0は、クラスタやスーパーコンピューター環境でのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)のワークロード管理およびジョブスケジューリング機能を搭載した先進的なソフトウェア製品の最新バージョンです。
バージョン13.0は、エクサスケールへの移行準備を検討中の企業のニーズに応えるアーキテクチャーを備え、PBS Professionalの商用製品としての20年以上の歴史の中で最も大規模なリリースです。追加された新しい機能や能力には、ジョブ起動時間の短縮、包括的なヘルスチェックフレームワーク、1日に100万ものジョブを処理できるスケーラビリティなどがあります。
AltairのCTO for PBS Worksを務めるBill Nitzbergは、次のように述べています。「今回のリリースでは、スピード、スケール、安定性の強化に多大な労力を注ぎました。通信レイヤーのアーキテクチャーを作り直して、マルチスレッド、ノンブロッキング、パーシステンス、フォールトレジリエンス、非同期のジョブ実行の各機能を実現したほか、スループットを最大10倍、スケーラビリティを最大5倍にまで高め、さらに完全なヘルスチェックフレームワークを実装しました。これにより、PBS Professionalでエクサスケールへの対応が可能になっただけでなく、Altairのすべてのお客様に大きなメリットがもたらされます」。
世界各地の何千という企業で使用されてきたPBS Professionalは、生産性の向上とリソース利用率・効率性の最適化に加え、HPCクラスタ、クラウド、スーパーコンピューターのワークロード管理プロセスの簡略化を実現します。PBS Professionalの強力なジョブスケジューラーでは、ワークロードのスケジューリング、管理、監視、レポート作成の各種作業を自動化できるため、TOP500の複雑なシステムだけでなく小規模なクラスタ向けのソリューションとして信頼されています。
13.0の新機能は次のとおりです:
- 百万コアのスケーラビリティ -- 50,000以上のノードで試験済み
- 巨大なMPIジョブを高速かつ確実に起動 – 何万ものMPIランクを持つジョブで試験済み。障害が発生したノードによる遅延を最小限に抑える
- 短時間ジョブの高速スループット -- 1日に100万以上のジョブを処理可能
- cgroupでリソースの競合を防止 -- ジョブが高速で処理され、ほかのジョブやOSに干渉しない(限定機能)
- 包括的なヘルスチェックフレームワークがユーザーのヘルスチェックスクリプトの挙動を監視 -- チェックが実行されるか、ノードがダウンと判定される
- 拡張されたhook eventsで、プラグインの拡張性とカスタマイズ性が向上
- より柔軟なポリシーによるコントロールによって、顧客のビジネスのニーズにより的確に対応
- スケジューリングの優先順位を制御するformulaを拡張。完全な数学関数(sqrt()、ceil()など)や条件式が追加されたほか、ジョブの実行可能時間のしきい値の設定が可能
- Preemptionをきめ細やかに指定。キュー単位で設定が可能(管理者のみ)
- 一般的なfairshare formula -- 各キュー単位でジョブの待機時間、ライセンス共有、時刻、消費電力を設定でき、これらを組み合わせて使用することも可能
- システムサポート要件の拡張 -- WindowsのIntel MPIとMPICH2、Windowsのstdin / stdout / ファイルステージングのためのUNCパス、SLES 12、RHEL 7
- カスタムリソース -- サーバーを再起動することなく、qmgrを使って直接カスタムリソースを作成可能
- 長いジョブ名および予約名に対応
Altairのお客様とベータ版ユーザー様から、新バージョンのPBS Professionalに関して以下のような好意的な評価をいただいています。
- 「PBS Professional 13.0はCINECA社にとって重要なリリースであり、特にジョブのスループットと通信機能の改善やcgroupの新機能に期待しています。当社はHPCインフラストラクチャーを安全かつスケーラブルに管理するためにPBS Professionalに頼っています。バージョン13.0のGA版をインストールすることが楽しみです」--Carlo Cavazzoni氏、CINECA社HPC Operational Activities and Production部
- 「PBS Professional 13.0では、より優れたスケーラビリティとパフォーマンスが手に入るため、何百人ものユーザーをサポートすることができます。また、PBS Professional 13.0は、当センターがペタスケールそして最終的にはエクサスケールに向かうなかで、将来的な拡大を支える力になります。PBS 13により、そのレベルに移行する準備が整うのです。移行を進めるなかでは、ジョブの拡張だけでなく、システムの拡張においても重要な役割を果たすでしょう」--Dorah Thobye氏、南アフリカのハイパフォーマンスコンピューティングセンターのTechnical Manager
- 「システムの規模の拡大に伴い、1日に実行するジョブの数が劇的に増加しました。パラメトリックスタディなどを実施するにあたり、各ユーザーが非常に小さなジョブを大量に実行するため、PBS Professional 13.0の改善された処理能力で1日のジョブ処理数をさらに増やせることを期待しています」 --Simon Burbidge氏、インペリアル・カレッジ・ロンドンのHPC Manager
- 「PBS Professionalのバージョン13にアップグレードしてcgroupなどの新機能を利用することで、的確にメモリ制限を適用したり、GPUなどのリソースをバインディングしたりしようと考えています。これらは非常に便利な新機能です」--Mark Vilensky氏、ワイツマン科学研究所のScientific Computing Manager
AltairはHPC市場で数十年の実績があり、定評のあるワークロード管理、エンジニアリング、およびクラウドコンピューティングの各種ソフトウェアを提供してきました。PBS Professionalは、PBS Works製品群のフラッグシップ製品です。2014年のHPCwire Readers’ Choice Awardsにおいて“Best HPC Software Product”に選出されたPBS Professionalには、ジョブ投入の簡略化、3Dデータのリモートビジュアライゼーション、分析・レポート作成のための各種ポータル製品も含まれています。
現在のAltairのお客様は、
PBS Works、
HyperWorks®、およびその他のAltairアプリケーションで採用されているものと同じトークンベースのライセンスフレームワーク(特許取得済み)のもとで、すぐにPBS Professional 13.0を使い始めることができます。また、最新技術を駆使したマネージドプライベートクラウドソリューションの
HyperWorks Unlimitedの一部として、またはコンピューター支援エンジニアリング(CAE)のためのAltairのパブリッククラウドの
HyperWorks On Demand内で、あるいはシミュレーションライフサイクル管理のための
Simulation Cloud Suiteの一部としてもご利用いただけます。
Altairは、ドイツのフランクフルトで開催される
ISC High Performanceのブース1110で、PBS Professional 13.0をご紹介します。
Altairについて
Altairは、ビジネスパフォーマンスの改善のために、設計、プロセス、意思決定を統合かつ最適化するシミュレーション技術の開発と様々な分野への適応に注力しています。 2300人を超える従業員を擁する非上場企業であるAltairは、米国ミシガン州トロイに本拠を置き、23ヵ国に45以上のオフィスを構えています。 顧客は多種多様な業種にわたり、その数は5000社以上にも及んでいます。 詳細については、
www.altairjp.co.jpをご覧ください。
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