AltairがGPUベースのCFDテクノロジー開発企業FluiDyna GmbHに出資
空気力学および潤滑シミュレーション向けに、GPUを利用したCFDソフトウェアを共同開発へ
ミシガン州トロイ、2015年5月6日 -
Altairは本日、GPUベースの流体力学・数値シミュレーションテクノロジーの著名な開発企業である
FluiDyna GmbHに出資することを発表しました。両社は今後、複雑な形状における長年の課題である空気力学問題および混相流の解析用途向けに、GPUに最適化した数値流体力学(CFD)アプリケーションを共同で開発していきます。今年後半に新しい仮想風洞実験テクノロジーをリリースするというテクノロジーロードマップに加え、Altairは、FluiDyna社のCFDテクノロジーであるultraFluidXとnanoFluidXの独占的な再販権を得ることになります。
CFDのような計算集約的な分野では、画像処理装置(GPU)を超並列プロセッサーとして扱うFluiDyna社のテクノロジーを利用することで、中央処理装置(CPU)ベースのソリューションからの低コスト化、高速化、大幅な省エネルギー化というメリットが得られます。FluiDyna社は、複雑な流体の流れや熱力学を高速に解くために、GPUに最適化した数値手法の開発と応用に特化しています。同社の商用製品には、空気力学シミュレーションのultraFluidXや、粒子法ベースの流体力学シミュレーションのnanoFluidXなどがあります。AltairはultraFluidXとnanoFluidXの再販だけでなく、高い評価を得ている
Altairパートナーアライアンスプログラムを通じて世界の
HyperWorksユーザーにこの2つの製品をリリースし、アクセスを提供する予定です。
AltairのChief Technical OfficerであるUwe Schrammは、次のように述べています。「FluiDyna社のテクノロジーと専門知識により、特に外部空気力学、高速な計算、そしてAltairの主軸である最適化に適した手法がさらに加わることで、AltairのCFD製品群が補完されます。AltairのCAE(HyperWorks)およびHPC(
PBS Works)の開発チームとFluiDyna社の専門家が協力するというのは今までにない機会であり、GPUベースのクラスターを活用しグリーンコンピューティングの取り組みを推進する製品ポートフォリオの拡大が大いに期待できます」。
ラティスボルツマン法に基づいたultraFluidXは、大規模な内部 / 外部空気力学の問題を1つのワークステーションを使って数時間で解くことができ、乗用車や大型車(HDV)などの広範な問題の解析だけでなく、建物や環境の空気力学の評価にも応用が可能です。また、SPH法に基づいた流体力学シミュレーションツールのnanoFluidXでは、複雑な動きをする複雑な形状における流れを予測することができます。たとえば、シャフトやギアが回転しているパワートレインシステム内のオイル掻き揚げ挙動の予測のほか、パワートレインシステムの個々の部品に生じる力やトルクの解析に使用できます。
FluiDyna GmbHの創業者兼CEOのThomas Indinger博士は、次のように述べています。「Altairは最先端のシミュレーションやHPCのテクノロジーを開発しているだけでなく、その応用方法についても各分野の専門知識を備えています。こうした方針の近い強力な企業と提携できることを大変嬉しく思っています。超並列ハードウェア(GPU)は粒子法ベースのCFDに適しているため、FluiDyna社のテクノロジーと専門知識でAltairの主軸のテクノロジーを補完すれば、両社の顧客基盤にメリットをもたらすことができるでしょう」。
詳細は、
www.fluidyna.comおよび
www.altairhyperworks.comをご覧ください。
Altairについて
Altairは、ビジネスパフォーマンスの改善のために、設計、プロセス、意思決定を統合かつ最適化するシミュレーション技術の開発と様々な分野への適応に注力しています。 2300人を超える従業員を擁する非上場企業であるAltairは、米国ミシガン州トロイに本拠を置き、23ヵ国に45以上のオフィスを構えています。 顧客は多種多様な業種にわたり、その数は5000社以上にも及んでいます。 詳細については、
www.altairjp.co.jpをご覧ください。