2016年度FEKO Student Competitionの優勝者を発表
電波天文学用途のソリューションとなる高周波電磁設計の研究
ミシガン州トロイ、2016年12月6日 – Altairは本日、2016年度FEKO Student Competitionの優勝者が、カーティン大学（オーストラリアのパース）博士課程学生のDaniel Ung氏に決定したことを発表しました。FEKO Student Competitionは、エンジニアリング教育と優秀な学術内容の支援を目的に年に一度実施される国際的コンテストです。アンテナ、マイクロ波装置、生体電磁気学、電磁適合性、およびその他の高周波電磁関連の分野に関心がある学生に対して、Altair HyperWorksの高周波電磁ソルバーであるFEKOを用いた成果を発表する機会が与えられます。2016年度大会は世界的に注目され、ドイツ、アメリカ、インドからのエントリーがありました。
Ung氏の優勝論文『
Embedded Element Pattern Beam Model for Murchison Widefield Array』（マーチソン広視野電波干渉計の埋込型エレメントパターンビームモデル）は、宇宙飛行士向けの低周波電波望遠鏡MWA（Murchison Widefield Array： マーチソン広視野電波干渉計）の高精度かつ到達可能なビームパターンの必要性について述べたものです。「審査では、FEKOを使用して達成した結果が、実世界の結果と対比して精確性を有していることが確認でき、非常に満足しています」と、Altair Business Development Academic MarketsのSenior Director、Matthias Goelkeは述べています。
Daniel氏は、International Centre for Radio Astronomy Research（ICRAR）との共同作業を通じて、電波望遠鏡のビームパターンに関する知識が較正や画像補正にとって重要であることに気付きました。球面調和関数の表現を用いた完全埋込型エレメントパターン手法を使用してビームモデリングを実施するというソリューションが採用されました。その結果、FEKOを使用してシミュレートされたビームパターンが、ヘルツダイポール反応を想定する分析ビームモデルより優れていることが実証されました。
「本プロジェクトは挑戦的な取り組みであり、同時に有益なものでした。電波天文学の分野が画期的な科学的成果を生み出すことができるよう後方で‘支え’となってくれた方々に感謝します。私のプロジェクトが、大型電波望遠鏡SKAのような次世代の低周波電波望遠鏡に役立てばうれしく思います」と、Daniel Ung氏は受賞時に述べています。
International Centre for Radio Astronomy Researchは、カーティン大学と西オーストラリア大学の共同事業です。MWA（Murchison Widefield Array： マーチソン広視野電波干渉計）は、世界最大の電波望遠鏡を構築する数十億ドル規模の国際プロジェクトであるSKA（Square Kilometre Array： 平方キロメートルアンテナ群）の先駆けです。本年度優勝したこの新しいビームモデルは、現在その科学的目標を果たすためにMWAコミュニティによって利用されています。本年度の指導者賞は、Ung氏の指導教官であるAdrian Sutinjo氏に送られます。
2017年度FEKO Student Competitionの詳細は、2017年3月に
Altair UniversityのWebサイトで発表予定です。また、本プロジェクトは、今後のFEKO 2017ウェビナーシリーズ（英語）でプレゼンテーションされる予定です。
Altairについて
1985年に設立されたAltairは、ビジネスパフォーマンスの改善のために、設計、プロセス、意思決定を統合かつ最適化するシミュレーション技術の開発と様々な分野への適応に注力しています。 2,600人を超える従業員を擁する非上場企業であるAltairは、米国ミシガン州トロイに本拠を置き、20ヵ国に45以上のオフィスを構えています。 顧客は多種多様な業種にわたり、その数は5000社以上にも及んでいます。 詳細については、
www.altairjp.co.jpをご覧ください。