フランス国立高等教育情報処理センターがPBS Professional 11.0へのアップグレードを実施
最新バージョンのPBSが、フランスのスーパーコンピュータJADEにおいて1,000ユーザーによって実行される一日数千規模のジョブを管理
ミシガン州トロイ - 2011年6月29日 - シミュレーションと最先端のコンピューティングソフトウェアソリューションを提供する世界最先端のプロバイダーであるAltair Engineering, Inc.は本日、フランスの国立高等教育情報処理センターCINES(*1) が、JADEという名で知られる国有のHPCシステム(*2) の管理のため、PBS Professional 11.0へのアップグレードを行ったと発表しました。PBS Professional 11.0は、ペタフロップ規模のスケーラビリティを提供しているほか、前バージョンに比べコールドスタートを30倍以上高速化、ジョブ投入を7倍高速化しています。
国有のスーパーコンピュータJADEは、2,880個のノードと23,440個のコアで構成され、1,000人のユーザーが投入するジョブを1日あたり1,000以上処理しています。JADEは、科学、エンジニアリング、気候学や分子動力学、計算流体力学、天体物理学、量子化学、材料科学、プラズマ物理学における研究シミュレーションからの様々なワークロードをホストしています。Altairのオンデマンドコンピューティング技術であるPBS Worksシリーズを構成するPBS Professional 11.0は、ワークロード スケジューリングの監視と最適化を行い、効率を最適化したJADEの稼動を可能にしています。
フランス、モンペリエ市にあるCINESは、過去30年以上にわたり、国内の公共研究機関にコンピューティング リソースとサービスを、また2004年からはデータの長期保管サービス(*3) を提供しています。同センターでは2008年からPBS Professionalを使用しており、当時はJADEのリソーススケジューラとしてバージョン9.0が採用されていました。
2008年以降、PBS ProfessionalはJADEが処理する100万以上のジョブを管理してきました。今回のバージョン11.0の採用によりCINESは、数十万ものプロセッサまでに対応する拡張性を備えていることを理由にPBS Professionalを採用する団体の仲間入りを果たしました。
CINESは、「PBS Professional 11.0は、当機関の大規模クラスタシステムの管理パフォーマンスをさらに向上させてくれると確信しています。8,000を超えるコアを使ったジョブから、1つまたは2つのノードで事足りる小規模なジョブまでを効率的に管理できるため、当機関でのPBS Professionalの利用は今後も拡大していくことでしょう」と述べています。
JADEは2つの仮想パーティションを持つ単一のシステムからなる異種混合型クラスタです。PBS Professionalは、ノードのトポロジーを考慮した動的なリソースプール管理を行って、リソース配分を管理します。
PBS Professional 11.0が提供するスケーラビリティと信頼性はこのほか、以下を始めとした他のシステムを上回る様々な機能によって支えられています。
• EAL3+セキュリティ認証取得
• コールドスタートの高速化
• トポロジーを考慮したスケジューリング
• GPUスケジューリング
• グリーン プロビジョニング機能
• OSプロビジョニング機能
• ジョブ開始時間の予測
• バックフィル スケジューリング
• 調整可能なスケジューリング方式
• ジョブ履歴の保存
• あらゆるメッセージ パッシング インターフェース(MPI)の統合に対応
アルテアではハイパフォーマンスコンピューティング システムを利用するエンジニアや科学者、教育者の皆様に、PBS Professionalの30日間無料試用ライセンスのほか、既存ユーザーや新規ユーザーを対象に、PBS Professionalの管理や使用に関するトレーニングコースを提供しています。
「無料ライセンスでは、PBS Professionalと他のソリューションとで、簡単さやスピード、柔軟さを比較していただけます」と、PBS WorksでCTOを務めるBill Nitzbergは述べています。「PBS Professional 11.0では、ハイパフォーマンスコンピューティング ジョブのスケジューリングをスピーディーに行い、システムを最大限有効に活用して投資収益率を高めたいと願う専門家のために、機能向上と使いやすさの両方の面で大きく進化を遂げています」。
PBS Professionalでは今後も、高性能のHPCリソースの利用状況を最適化して、あらゆるリソースの効率的かつ効果的な活用を約束します。これによって顧客の生産性やサービス水準への満足度が高まるとともに、ハードウェアやソフトウェアのライセンスコストの削減にもつながります。
PBS Professionalへの移行について詳しくは、
www.pbsworks.com/gridengineでご紹介しています。
PBS Worksについて
PBS Works™は、企業によるコンピューティング インフラストラクチャー資産への投資効果(ROI)を最大限に高める、オンデマンド グリッド コンピューティング テクノロジー製品群です。PBS Worksは、グリッド コンピューティング、クラウド コンピューティング、クラスタ コンピューティング、オンデマンド コンピューティングの各分野において世界で最も幅広く導入されているソフトウェア環境であり、なかでも主力製品のPBS Professional®は、柔軟なオンデマンド コンピューティング環境を実現します。企業では面倒な手間をかけることなく、(複数の機種が混在した)多様なコンピューティング リソースを地理的な制約を超えて共有できるため、市場投入までの所要時間を短縮しながら製品品質を向上させ、高い競争力を生み出し、維持することが可能になります。使った分だけ支払うという画期的な「ペイ フォー ユース」式ビジネスモデルを採用して、PBS Worksは他のソフトウェア ライセンスモデルより優れた価値と柔軟性をご提供します。PBS Worksを利用してハイパフォーマンス コンピューティングをより高速、スマート、かつ生産的にする手法について詳しくは、http://www.pbsworks.comをご覧ください。
(*1)
http://www.cines.fr
(*2) フランス国有のHPCリソースは、GENCI(Grand Equipement National de Calcul Intensif、大型集中計算施設)が提供:
http://www.genci.fr
(*3) CINESにおけるデータ保管の仕組み:
http://www.cines.fr/spip.php?rubrique225