「このプロジェクトでEmbedを使う上での大きなメリットとなったのは、コード生成機能と、その驚くほど高速な動作です。さらに、ドライバーの動作とROMコードとのダイレクトインターフェースのスピードは、今回の成功の鍵を握りました。このプロジェクトに関していえば、それが最も重要なメリットでした」
DaveWilson
Senior Motor Systems Engineer,C2000Group,TexasInstruments
シミュレーションプロセスでのEMBED-システム全体のEMBEDシミュレーションの開発
Wilson氏がはじめてEmbedのことを知ったのは、4年前にWeb上でのプレゼンテーションを見たときのことです。その使い勝手の良さをふと思い出し、今回のプロジェクトに使ってみることにしました。Embedにより、モーターの高速かつ精確なアナログ動的挙動とデジタル制御をモデリングするために必要なツールが手に入りました。その後Embedで、グラフィカルなダイアグラムの制御部から自動的にCコードを生成し、そのコードをターゲットのPiccoloにダウンロードしました。Embed JTAG Hotlinkの新しい同期モードを使って、Wilson氏はモーターシミュレーションとターゲット上の制御を非リアルタイムに同期させ、FASTの出力とEmbedモデルのフラックス・角度・速度・トルクの理想値を比較検証することができました。その結果、ターゲット上のROMで実行しているFASTオブザーバーにシミュレーション電圧と現在値を与えるだけで、どんなに大型または小型のブラシレスモーターに関してもFASTの特性を評価できるようになったのです。
Wilson氏が開発したのは、FAST™部分のコードを除くシステム全体を含むEmbedシミュレーションで、必要に応じてフィードバックパスでFASTオブザーバーをバイパスしたり、ターゲット上のFASTオブザーバーを経由する制御ループを閉じたりできました。また、ゲインとオフセットの値を自在に設定できるようになったほか、抵抗、インダクタンス、コントローラーのゲイン、電圧公差といった、さまざまなパラメーターも制御できるようになりました。「まったく同じ条件下で、ROM上のFAST™オブザーバーの出力値がどうなるかを把握し、シミュレーションで得た理想値と比較することができました。要するに、Embedは私が直面していた問題を完全に解決してくれたのです」と、Wilson氏は語ります。
「このプロジェクトでEmbedを使う上での大きなメリットとなったのは、コード生成機能と、その驚くほど高速な動作です。さらに、ドライバーの動作とROMコードとのダイレクトインターフェースのスピードは、今回の成功の鍵を握りました。このプロジェクトに関していえば、それが最も重要なメリットでした」。