サステナブルな建築

スキッドモア社の革新的かつサステナブルな合衆国裁判所の設計

企業情報

スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリルは、スキッドモア社は世界有数の技術的かつ環境的に優れた建築物を設計しており、ブルジュ・ハリファ(ドバイ)やウィリス・タワー(シカゴ)などの建築で有名です。また、他のどの建築事務所よりも多くのデザイン賞を受賞しています。創造性と新技術を駆使し、サステナブルな、未来を見据えた建築を牽引しています。

課題

スキッドモア社は、ロサンゼルスのダウンタウンにある新合衆国裁判所を、開放的で透明性のあるパブリックスペースとして設計しました。米国共通役務庁(GSA)の2020年目標に準拠するため、建物には多くの持続可能なデザインが盛り込まれています。スキッドモア社の構造エンジニアリングチームは、建物の外周を市民広場の上に吊り下げ、道路から適切なセットバックを確保した独創的な構造システムを提供しました。

ソリューション

スキッドモア社のデザイナーとエンジニアは、プロジェクトで使用される材料に常に配慮しており、コストと環境負荷を軽減するために、より少ない材料を使用する設計を目指しています。この指針のもと、彼らの設計ワークフローを飛躍的に促進したのがAltair OptiStruct™でした。

白紙の状態からスタートし、スキッドモア社は2段階の高度な最適化技術を駆使し、屋根の構造設計の改善を行いました。はじめにスキッドモア社のチームは、OptiStructのトポロジー最適化を利用して、初期の有機的な最適荷重経路を生成することを目的とした荷重と制約条件を適用して設計オプションを作成しました。次に、第2段階の梁最適化段階として、最適な種類の鋼製セクションを個別に決定しました。OptiStructの技術とスキッドモア社の専門知識との素晴らしい相乗効果により、最終設計に向けて最適な反復プロセスを生み出すことができました。
OptiStructは私たちのチームに多くの設計オプションを提供してくれました。OptiStructの解析結果をもとに最終的な設計案を導き出すことができました。このプロジェクトには多くの建築要件と構造上の課題がありましたが、Altairとその他の最適化ソフトウェアとの連携によって、効率的に成功させることができました。

アレッサンドロ・ベギーニ博士(PE, SE, LEED)
スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル
アソシエイト・ディレクター

構造システムとフレームのレイアウト。写真提供:スキッドモア社

結果

スキッドモア社の構造設計スペシャリストは、OptiStructを用いて、持続可能な規制と製造上の制約を考慮した理想的なプロジェクト計画を立案することができました。この独自の設計により、スキッドモア社は建物の重量を最小限に抑え、材料使用量を削減することができました。材料使用量の低減によりコスト削減もでき、クライアントと請負業者の双方に大きなメリットとなりました。具体的には、スキッドモア社は、構造システムの全体のパフォーマンスを向上させながら、必要な鋼材を10%削減しました。このビルはLEEDプラチナ認証を受け、GSAの2020年のエネルギー目標を達成しました。また、独創的で時代を超えた建築・構造デザインが評価され、35以上の賞を受賞しています。

最適化を繰り返し、最終的に最適化されたトラス。写真提供:スキッドモア社

建設段階。写真提供:スキッドモア社