京都工芸繊維大学Grandelfino

総合優勝5回を数える京都工芸繊維大学Grandelfinoの学生フォーミュラ車両開発

Grandelfinoについて

京都工芸繊維大学 学生フォーミュラ参戦プロジェクト「Grandelfino(グランデルフィーノ)」は、2005 年秋に自動車部のメンバーにより設立されました。

原動機付自転車のエンジンを使ったマシンを作るなど、学内でのアピールを盛んに行い、 2006 年度には京都工芸繊維大学の「学生と教員の共同プロジェクト」の第一号に採用され、全日本学生フォーミュラに参戦するための本格的な活動を開始しました。2007 年度から大会に参戦し、2012、2016、2017、2022、2023 年度には総合優勝を果たしました。

活動初年度の2007 年度に試作車としてGDF-01 を、大会出場車両としてGDF-02 を製作して以降、毎年1台のペースで設計製作を行っており、2023 年度は18 両目を意味するGDF-18 を作成しました。

ソリューション

Grandelfino の連覇を支えるのは、剛性を確保ながら実現する軽量化と、その技術の伝承です。

GDF-18 の設計では、各ピボット点の荷重計算の時間短縮、手計算の理論値とシミュレーション結果との相違確認(複数メソッドによる荷重計算による信頼性の向上)のため、簡易車両モデルを作成し、あらゆる走行条件にて荷重をすべてモニタリング、各パーツに加わる荷重の確認を行いました。モノコックサスペンションステイやサスペンションベルクランク、サスペンションアームを重点的に解析し、詳細設計へと落とし込みました。特にベルクランクは単一抜き方向のトポロジー解析を実施し徹底的な軽量化を実現することに成功しました。またHyperMesh を使用してモノコック本体に異方性材料、積層構成を設定し、剛性値や破壊指数を確認しました。

  • 車両全体解析
    サスペンションジオメトリーをもとに各ピボット点位置、ステーを再現した簡易シャシモデルを作成。重心位置にドライバーを含めた総重量を設定。車輪にトルク(加減速方向)や様々な操舵を与え、様々な走行条件を想定、荷重を確認
  • ベルクランクのトポロジー解析
    上で得られた結果をもとにトポロジー解析、得られた結果を元にCAD にインポートし、形状を再現
  • モノコック解析
    学内で焼成したCFRP 試験片の引張試験等を踏まえ、このデータをMAT8マテリアルデータ入力、積層構成を再現し解析、実測値と比較

技術や知識の継承

大学チームの大きな課題は、約3 年でチームのメンバーが入れ替わるため、設計、解析、最適化の技術やノウハウがうまく伝わらないことです。Grandelfinoでは、後任の育成へ力を入れていて、毎年ゼロから学びなおすことなく、年を経るごとに車両をレベルアップできるよう伝承しています。

具体的には、学年ごとに各パーツの担当者を設け、これまで継承してきた技術や知識を絶やさないようにしています。もちろん、活動を途中でやめてしまう人もいますが、前任者が更に下の学年のパーツ担当者に引き継ぐことでノウハウを伝承できています。

結果

使用したすべてのCAE ソフトの中で最も直感的インターフェースを持つアルテアのInspireHyperWorksでは、エラー修正や条件入力にかかる時間を大幅に短縮し、設計の効率化を達成できました。また、手計算値と実測値間でおおよその一致も確認でき、CAE 解析の結果の信頼性も十分確認できました。

今後の目標

今後も毎年車両の改良を重ね、日本での優勝はもとより、海外での大会に出場し優勝することも最終的な目標のひとつです。

そのため、現在の分野に加え、モノコックの局部剛性値の算出や、サンドイッチパネルの様々な荷重条件(特にTear Out・Punch 等のせん断引張、圧縮が複雑に加わる条件)における破壊則の正確な算出(SES のための試験回数の削減)にも取り組んでいきたいと考えています。

簡易車両モデルの剛性解析(別角度)

簡易車両モデルの実物

簡易車両モデルの剛性解析

簡易車両モデルの剛性解析(別角度)

簡易車両モデルの実物

簡易車両モデルの剛性解析

簡易車両モデルの剛性解析(別角度)

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