「トラックバイクやロードバイクの開発は、空気抵抗低減だけを考えていればよいわけではありません。組み合わせる部品による制約を受けながら、剛性や重量の目標値を同時に達成する形状を検討する必要があります。弊社の開発チームは、空力、剛性、モデリングなど、専門領域ごとに担当が分かれていましたが、それぞれの内容について十分理解しながら開発を進め、達成すべき目標値、完成させる自転車の方向性についても共通認識を持っていたため、厳しい制約の中、スムーズかつ効率よく開発を進めることができました。」(長谷川氏)
完成したトラックバイクやロードバイクは、選手から「速い!」「タイムが良くなった」といった感想や報告が相次ぎ、好評を得ています。「カッコイイ!」という声も選手や観客のSNSで投稿されています。「高い空力性能を目指した結果、機能美というような形で感じ取って頂けているのではないかと思います。そういった評価が選手のモチベーションにも繋がっているとすれば嬉しい限りです」(長谷川氏)
ブリヂストンサイクル開発担当の中村隆志氏は「選手から感謝の言葉もいただき、苦労はしましたが、改めて開発してよかったと思っています。今後は、高度な構造解析や走行シミュレーションを活用していき、スポーツ自転車のみならず、軽快車や電動アシスト車の製品開発に取り組んで行きたいです」と抱負を語りました。