サムスンSDI

Samsung SDI社がAltair PollEx™で、 年間600万ドルのコストを削減



顧客概要

Samsung SDI社(本社: 韓国)は、先端技術および環境調和型バッテリーの産業で世界を牽引する大手企業です。過去には40年にわたって真空管、大型プラズマディスプレイ(PDP)、CRTディスプレイおよびデジタルディスプレイの製造を手がけていました。

そのSamsung SDI社は現在、IT、自動車、電力貯蔵システム(ESS)、電子材料などの各産業向けの充電式バッテリー用エネルギーソリューションおよび電子材料を提供するトップ企業になっています。



課題

電子材料事業に軸足を移したSamsung SDI社は、いくつかの課題に直面し、その対処に迫られていました。電子ディスプレイの制御回路からバッテリーの制御回路への移行に伴い、新たな電子材料の設計とそれに関連したプリント回路基板(PCB)の製造技術に対応するためにアプローチを変える必要がありました。

Samsung SDI社は、既存製品と新製品のためにPCB設計のレビューおよび検証用の強力なソリューションを必要としていました。

また車載バッテリーパックの大手企業の買収後は、PCB設計のレビューと検証の環境を設定および展開できるソリューションを求め、デザインルールチェックと作業データを一元管理できるものを探しました。

“PollEx PCB Verificationソリューションを取り入れたのは、そもそもは製造欠陥やエンジニアの人的ミスを減らすためでしたが、結果的に開発と製造のコストも大幅にカットすることができました”

JungWon Lee,
Chief Researcher, Samsung SDI

Altairのソリューション

Altair PollExを知ったSamsung SDI社は、PCB設計レビュー(PCB Modeler)と検証(PCB Verification)の機能を確認しました。とりわけ、設計から製造までのプロセスを管理・改良するという目標を達成できるかどうか、デザインルールチェック(DFM)と電気特性チェック(DFE)に注目しました。

PollExの使い勝手のよいコラボレーション機能は、各地に散らばるPCB設計者、ハードウェアエンジニア、テストエンジニア、製造エンジニアが国境を越えて連携することを可能にするものでしたが、Samsung SDI社はそれに加えて、デザインルールチェックと検証のための環境を一元管理することを求めていました。

AltairはSamsung SDI社と緊密に連携することにより、検証要件の異なる既存製造および新製品でPCB検証ソリューションを使用できるようにしました。2カ月後、Samsung SDI社はPollExの導入により、複数のチームにPCB検証機能を提供する効率的なコラボレーション環境の構築に成功しました。この環境では、PCBアートワークエンジニアからPDMサーバーにアップロードされたPCBレイアウト設計(PollExフォーマットの設計データを含む)を、すべてのエンジニアがPCB Modelerを使ってレビューしたり、PCB Verificationツールにかけたりすることができます。



結果

Samsung SDI社はPollExにより、PCB設計のレビューと検証の一元管理ソリューションを軸にエンジニア間のコラボレーションを実現しました。設計の修正回数が減り(20回から9回)、リビジョンのチェック回数も6回から3回に半減したことで、コスト削減効果は年間600万ドル(同社推定)にも上ります。

Samsung SDI社はPCB設計のレビューにPollExを使用しているほか、DFMツールによって設計初期段階での製造欠陥の洗い出しも行っています。その他にもPollEx DFEを業務に取り入れ、設計初期段階で電気的な欠陥を特定しています。今後は、シグナル / パワーインテグリティの解析や熱解析にPollEx Solversを導入する予定です。

Samsung SDI社のPCB検証コラボレーション環境の概略図

PollEx PCB ModelerでPCB設計データのアップロード、レビューほか、検証ツールの実行も可能

PollEx Verificationのダイアログではチェック基準とするルールを選択、可視化し、DFM、DFA、DFE用のルールチェッカーを実行可能